複数の因子群の平均を比較する一元配置分散分析(ANOVA)と、特定の群に関する多重比較の事後補正

1. 使用できる機能

  • 因子群間で平均に有意差があるかを調べる
  • 一元配置ANOVAでは因子群間の有意差を測定することから、ペアの間で平均に有意差があるかを調べる

2. 使用するデータについて

  • データに、2つのベクトルで示されるいくつかの別々の因子群がある
  • 1つのベクトルは観察値で、もう1つのベクトルは異なる因子群をマークするためのものである
  • 各因子群は独立しており、ほぼ正規分布となっている
  • 因子群の各平均は、分散が同じ正規分布であり、比較することができる

使用例

受動喫煙ががんの発現率に測定可能な影響を及ぼすかを調べたいとします。ある試験で、喫煙状態に応じて参加者を非喫煙者 (NS)、受動喫煙者 (PS)、たばこをふかす喫煙者 (NI) 、軽度の喫煙者 (LS)、中等度の喫煙者 (MS)、および重度の喫煙者 (HS) の6群に分けました。この試験では、努力最大呼気中間流量 (FEF) を測定しました。これらの6群間でFEFの差を調べたいとします。

手順にしたがって進むと、アウトプットに解析結果がリアルタイムで出力されます。


Output 1. 記述統計の結果


因子群のカテゴリー


グループ別の記述統計量


説明
  • 箱の中の線は中央値を表しています
  • 箱の上辺は75パーセンタイル、下辺は25パーセンタイルを表しています
  • 外れ値がある場合は赤色で示されます



Output 2. ANOVA表



説明
  • DF因子 = [因子群カテゴリの数] -1
  • DF残差 = [標本値の数] - [因子群カテゴリの]
  • MS = SS/DF
  • F = MS因子 / MS残差
  • P Value < 0.05の場合、母集団の平均は因子群間で有意差があります。(対立仮説が採択されます)
  • P Value >= 0.05の場合、因子群間で有意差はありません。(帰無仮説が採択されます)

この例では、喫煙グループが有意であったため、FEFは6つのグループ間で有意に異なっていたと結論付けることができました。


P < 0.05の場合、 どのペアワイズ因子グループが大幅に異なるかを知りたい場合は、多重比較に進んでください。


Output 3. 多重比較の結果


ペアワイズP値表


説明
  • マトリックスの中で、P < 0.05はペアの中で統計的有意差があることを表します。
  • マトリックスの中で、P >= 0.05はペアの中で統計的有意差がないことを表します。

この例では、Bonferroni-Holmメソッドを使用して、P < 0.05の可能なペアを調査しました。 HSは他のグループとは有意に異なっていました。 LSはMSやNSとは有意に異なりました。 MSはNIやPSとは有意に異なりました。 NIはNSとは有意に異なりました。


複数の群の平均を比較する二元配置分散分析と、特定の群に関する多重比較の事後補正

1. 使用できる機能

  • 因子2を制御した上で、因子1について平均に有意差があるかを調べる
  • 因子1を制御した上で、因子2について平均に有意差があるかを調べる
  • 因子1と因子2の間に相互作用があり、アウトカムに影響を与えているかを調べる
  • 二元配置ANOVAでは群間での有意差を測定することから、どのペアで平均に有意差があるかを調べる

2. 使用するデータについて

  • データにはいくつかの別々の因子群 (または2つのベクトル) がある
  • 別々の因子群/セットは独立しており、ほぼ正規分布となっている
  • 因子群の各平均は、分散が同じ正規分布であり、比較することができる

使用例

性別と3種類の食事法が収縮期血圧 (SBP) に与える効果を調べたいとします。3種類の食事法は、厳格なベジタリアン (SV)、ラクトベジタリアン (LV)、通常の食事を摂っている人 (NOR) とし、SBPを調べました。 性別と食事群の作用は、互いに関連がある (相互作用がある) 可能性があります。 食事群と性別がSBPに影響を与えるか、またはこれらの因子が互いに関連があるかを調べたいとします。

手順にしたがって進むと、アウトプットに解析結果がリアルタイムで出力されます。


Output 1. 記述統計の結果


因子1のカテゴリー

因子2のカテゴリー





Output 2. ANOVA表



説明
  • DF因子 = [因子群カテゴリの数] -1
  • DF交互作用 = DF因子1 x DF因子2
  • DF残差 = [標本の数] - [因子群1のカテゴリ数] x [因子群2のカテゴリ数]
  • MS = SS/DF
  • F = MS因子 / MS残差
  • P Value < 0.05の場合、母集団の平均は因子群間で有意差があります。(対立仮説が採択されます)
  • P Value >= 0.05の場合、因子群間で有意差はありません。(帰無仮説が採択されます)

この例では、食事の種類と性別の両方がSBPに影響を及ぼし(P <0.001)、食事の種類も性別と有意に関連しています(P <0.001)。


P < 0.05,の場合、 どのペアワイズ因子グループが大幅に異なるかを知りたい場合は、多重比較に進んでください。


Output 2. 多重比較の結果


因子別ペアワイズP値表


説明
  • マトリックスの中で、P < 0.05はペアの中で統計的有意差があることを表します。
  • マトリックスの中で、P >= 0.05はペアの中で統計的有意差がないことを表します。

この例では、すべてのペア、正常とLV、SVとLV、SVと正常、および男性と女性のSBPに有意差がありました。


複数の標本を比較するKruskal-Wallisノンパラメトリック検定と、特定の群に関する多重比較事後補正

この方法では平均とSDではなく、観察データの順位を比較します。データの分布を仮定しない、一元配置ANOVAの代わりとなる方法です。

1. 使用できる機能

  • 因子群間で平均に有意差があるかを調べる
  • 一元配置ANOVAでは群間の有意差を測定することから、ペアの間で平均に有意差があるかを調べる

2. 使用するデータについて

  • データに、2つのベクトルで示されるいくつかの別々の因子群がある
  • 1つのベクトルは観察値で、もう1つのベクトルは異なる因子群をマークするためのものである
  • 別々の因子群は独立しており、分布に対する仮定はない

使用例

受動喫煙ががんの発現率に測定可能な影響を及ぼすかを調べたいとします。 ある試験で、喫煙状態に応じて参加者を非喫煙者 (NS)、受動喫煙者 (PS)、たばこをふかす喫煙者 (NI) 、軽度の喫煙者 (LS)、中等度の喫煙者 (MS)、および重度の喫煙者 (HS) の6群に分けました。 この試験では、努力最大呼気中間流量 (FEF) を測定しました。これらの6群間でFEFの差を調べたいとします。

手順にしたがって進むと、アウトプットに解析結果がリアルタイムで出力されます。


Output 1. 記述統計の結果


因子群のカテゴリー


グループ別の記述統計量:



Output 2. 検定結果



この例では、喫煙グループが有意であったため、FEFはクラスカル-ウォリス順位和検定の6つのグループ間で有意に異なっていたと結論付けることができました。


P < 0.05の場合、 どのペアワイズ因子グループが大幅に異なるかを知りたい場合は、多重比較に進んでください。


Output 2. 検定結果


調整されたp値表

Adjusted P < 0.05の場合、帰無仮説を棄却します。少なくとも2群の間で平均値に有意差があります。


この例では、喫煙グループが有意であったため、FEFはLS-NI、LS-PS、およびNI-PSグループで有意差はなかったと結論付けることができました。 他のグループの場合、P <0.025。