1標本のウィルコクソン符号順位検定

この方法は、データが正規分布であるとは予想されない場合に1標本t検定の代わりに使用します。この方法では、実際の値ではなく観察の順位を使用します。

1. 使用できる機能

  • データのもとである母集団における中央値/位置と、指定した中央値との間に統計的有意差があるかを調べる
  • データの基本記述統計量を把握する
  • データの箱ひげ図、分布ヒストグラム、密度分布などの記述統計プロットを把握する

2. 使用するデータについて

  • データは1種類の値 (または1つの数ベクトル) のみ
  • 指定した中央値からの距離を測定する意義のあるデータである
  • 値は独立した観察である
  • データの分布の形の前提条件がなく、正規分布ではない可能性がある

使用例

特定の患者群9例からうつ病評価尺度 (DRS) のデータを得たとします。DRS尺度のスコアが1を超えるとうつ病を示す場合、患者のDRSが1より有意に大きいかを調べたいとします。

手順にしたがって進むと、アウトプットに解析結果がリアルタイムで出力されます。


Output 1. 記述統計の結果




説明
  • 箱の中の線は中央値を表しています
  • 箱の上辺は75パーセンタイル、下辺は25パーセンタイルを表しています
  • 外れ値がある場合は赤色で示されます


説明
  • ヒストグラム:ある範囲の値について各観察の頻度を描き、変数の確率分布を大まかに評価する図です
  • 密度プロット:データの確率密度関数を推定するプロットです

ヒストグラム

ビンの数が0の場合、プロットはデフォルトのビンの数を使用します

密度プロット


Output 2. 検定結果

ウィルコクソン符号順位検定(Wilcoxon Signed-Rank Test)の結果


説明
  • P < 0.05の場合、母集団の中央値と指定された中央値との間に有意差があります。(対立仮説が採択されます)
  • P >= 0.05の場合、母集団の中央値と指定された中央値の間に有意差はありません。(帰無仮説が採択されます)

デフォルト設定から、スケールは1よりも有意に大きい(P = 0.006)と結論付けました。これは、患者がうつ病に苦しんでいることを示しています。


独立した2標本のウィルコクソン順位和検定 (マンホイットニーのU検定)

この方法は、データが正規分布であるとは予想されない場合に2標本t検定の代わりに使用します。

1. 使用できる機能

  • 2群のデータのもとである2つの母集団の間で、中央値に統計的有意差があるかを調べる
  • 2群のデータの分布の位置が異なるかを調べる
  • データの基本記述統計量を把握する
  • データの箱ひげ図、分布ヒストグラム、密度分布などの記述統計プロットを把握する

2. 使用するデータについて

  • データは2種類の値 (または2つの数ベクトル) のみ
  • 2群の値の距離を測定する意義のあるデータである
  • 値は独立した観察である
  • データの分布の形の前提条件がない
  • データは正規分布ではない可能性がある

使用例

特定の患者群19例からうつ病評価尺度 (DRS) のデータを得たとします。19例のうち、女性は9例、男性は10例です。患者のDRSスコアに男性と女性で有意差があるか、または年齢とDRSスコアの間に関連があるかを調べたいとします。

手順にしたがって進むと、アウトプットに解析結果がリアルタイムで出力されます。


Output 1. 記述統計の結果





説明:
  • 箱の中の線は中央値を表しています
  • 箱の上辺は75パーセンタイル、下辺は25パーセンタイルを表しています
  • 外れ値がある場合は赤色で示されます


説明:
  • ヒストグラム:ある範囲の値について各観察の頻度を描き、変数の確率分布を大まかに評価する図です
  • 密度プロット:データの確率密度関数を推定するプロットです

ヒストグラム

ビンの数が0の場合、プロットはデフォルトのビンの数を使用します

密度プロット


Output 2. 検定結果

ウィルコクソン順位和検定(Wilcoxon Rank-Sum Test)の結果



Explanations
  • P < 0.05の場合、2群の間で母集団の中央値に有意差があります。(対立仮説が採択されます)
  • P >= 0.05の場合、2群の間で母集団の中央値に有意差はありません。(帰無仮説が採択されます)

デフォルト設定から、2つのグループの評価尺度に有意差はないと結論付けました。(P = 0.44)


対応のある2標本のウィルコクソン符号順位検定

対応のある場合は、2群間の差と0を比較します。したがってこれは1標本の検定となります。

この方法は、データが正規分布であるとは予想されない場合に対応のあるt検定の代わりに使用します。

1. 使用できる機能

  • 対応のあるデータの差と0の間に統計的有意差があるかを調べる
  • データの基本記述統計量を把握する/li>
  • データの箱ひげ図、分布ヒストグラム、密度分布などの記述統計プロットを把握する

2. 使用するデータについて

  • データは2種類の値 (または2つの数ベクトル) のみ
  • 指定した中央値からの距離を測定する意義のあるデータである
  • 値は対応があるか、またはマッチさせた観察である
  • データの分布の形の前提条件がない
  • データは正規分布ではない可能性がある

3. マッチした、あるいは対応のあるデータの例

  • 1例のの検査前と検査後のスコア
  • 2標本がマッチしている、あるいは対応がある場合

使用例

治療が有効であることを示す目的で、治療前と治療後でDRSに有意差があるか、または治療前と治療後の差と0の間に有意差があるかを知りたいとします。

手順にしたがって進むと、アウトプットに解析結果がリアルタイムで出力されます。


Output 1. 記述統計の結





                  
説明:
  • 箱の中の線は中央値を表しています
  • 箱の上辺は75パーセンタイル、下辺は25パーセンタイルを表しています
  • 外れ値がある場合は赤色で示されます


Notes:
  • ヒストグラム:ある範囲の値について各観察の頻度を描き、変数の確率分布を大まかに評価する図です
  • 密度プロット:データの確率密度関数を推定するプロットです

ヒストグラム

ビンの数が0の場合、プロットはデフォルトのビンの数を使用します

密度プロット


Output 2. 検定結果


Results of Wilcoxon Signed-Rank Test
説明
  • P < 0.05の場合、 群1 (治療前) と群2 (治療後)には有意差がある。(対立仮説が採択されます)
  • P >= 0.05の場合、 2群のデータに有意差がありません。(帰無仮説が採択されます)

デフォルト設定から、治療後に有意差はないと結論付けました。 (P = 0.46)